はじめに

2019年5月1日に新天皇の即位に伴い1989年からつづいた平成から令和の時代へと移り変わり、歴史の変わり目に立ち会えたことで様々な思いが浮かんだのではないでしょうか。新しい時代に希望をいだき、思いを新たに一歩踏み出しました。「令和」には“人々が美しく心を寄せ合う中、文化が生まれ育つ”という意味が込められています。「令和」を英語で表す際は“beautiful harmony 美しい調和”となります。近年、世界中では分断の危機や排他的な行動が散見されます。国や地域の枠組みを越えて、一体化に向かっていた世界をゆるがせている時代だからこそ、調和という言葉が心に響きます。互いに助け合い、支え合いながら相手を敬い共生することで「美しい調和」が実現すると確信しております。「明るい豊かな社会」の実現をめざし、青年会議所でしかできない運動を実行するためにも、何が正しいか本質を見極める「知恵」と人を思いやる「愛」、そして困難を乗り越える「勇気」を胸にいだきながら、ひたむきに行動をすることが必要となります。

大東青年会議所は大きな転換期を迎えようとしています。1972年に大東青年会議所は大東を愛する志高い青年同志によって、日本で476番目の青年会議所として創立されました。「明るい豊かな社会」の実現に向けて、「熱い想い」すなわち大東魂は49年目を迎える今でも変わらずに脈々と受け継がれています。しかし、世の中は目まぐるしいスピードで変化をしています。今日までの常識が明日には非常識というように、当たり前なことが当たり前ではなくなる時代です。2021年に大東青年会議所は50周年を迎えます。伝統を承継していくには革新を続けていくしかありません。そして、不易と流行を見極め、未来に向かい歩んでいかなくてはなりません。小さな行動にも大きな想いを注ぎ、地域に必要とされ愛される存在となり、持続可能な青年会議所をめざしてまいります。

 

強靭な幹と波及する発信】

持続可能な組織として存続していくには、揺るぎない基盤となる組織体が必要不可欠な要素となります。組織運営には、常に全体を見まわし、粛々と当たり前のことを当たり前に遂行できるよう、抜かり無い準備と絶え間ない努力が必要です。独立自尊の組織だからこそ、自らを律し、原理原則を確かめ、行動をとることが求められます。何が最善かを判断できる時流を捉えた取り組みをおこない、最高のパフォーマンスを発揮できるように、運営していくことが組織体として大切なことだと考えます。

近年、情報システムは技術の進歩や通信環境が整ったことで身近な仲間とのコミュニケーションツールにとどまらず、日本中ましてや世界中に瞬く間に情報を発信でき、共有できる時代となりました。ソーシャルメディアでの情報は信頼性と鮮度が高く、相互に影響を与えるものとして幅広く利用されています。技術が進歩した現代社会だからこそ、我々は社会の動向を敏感に感じて、有効な手法を最大限に活用していくことで、時流に合った広報運動ができると考えます。巻き起こす運動にメッセージ性や話題性を付加し、興味を持った人たちに情報を上手く伝達してもらい、自然と拡散されていく仕組みが必要です。我々の起こした運動により、このまちに好感を抱き、興味を持ってもらえるような発信をすることで、大東青年会議所のブランディングにもつながると確信しております。膨大な情報が溢れる今だからこそ、選ばれる情報を発信していくことが求められます。

 

【まちの先導者】

まちづくり運動をおこなう上で大切なことは、その運動が本当にまちに必要とされているか、今必要とされているかを知ることだと考えます。現場に出向き、現物を観察し、現状と向き合うことが重要となります。すなわち「動く」ことが始めの第一歩です。

たくさんの魅力や可能性を秘めているまち、それが大東市です。飯盛、生駒を東にのぞむ美しい風土と、風情のある商店が立ち並ぶ商店街があり、大阪市内からのアクセスのよさを兼ね揃えた都市で、自然との調和がとれたまちがあります。また、地車や野崎参りなどの伝統文化が受け継がれ、市民としての誇りや情緒を大切にする心を持っている郷土愛にあふれた人がたくさんいます。近年、まちづくり運動をおこなってきた中で感じることは、地域の様々な団体やたくさんの地域住民があらゆる視点で、このまちをもっとよくしようと積極的に行動されていることです。まちをよくしたいという目標が同じならば、垣根を越えて連携をはかり、それぞれの持つ特性を活かした新しい組み合わせを発見することで、新たな価値が生まれ、革新的で地域から求められるまちづくり運動が実現できると確信しております。

まちづくり運動は受け取る方はもちろん、届ける方、双方が笑顔になる運動を実現することが重要だと考えます。大東青年会議所はあらゆる可能性を創造し、オピニオンリーダーとして“共尊共栄”の精神を持ち、愛されるまち大東をめざし、邁進してまいります。

 

【まちの宝】

 未来を担うすべての子どもたちはまちの宝である。誰もが思うことであり、この宝を大切に育むことは大人の責任であります。しかし、現代社会において、いじめ・不登校・児童虐待・貧困・非行など、様々な問題に対して、解決に向けて取り組んでいるにもかかわらず、いまだに無くなりません。そして、昨今では家族関係の希薄化や地域社会との疎遠による子育ての孤立問題など、子どもたちを取り巻く環境は現代社会の波にのまれ、新たな問題が起こっています。我々の使命は、様々な環境下で過ごしている子どもたちを、健全に育成するためにひとつの雫が波紋となるような運動をおこすことだと考えます。

青少年が成長する過程で大切なことは、社会で生きていくために必要なことをたくさん経験することだと考えます。我々、大人たちは子どもたちに対して、日々の生活の中で“必要な経験”を十分に与えてあげているのでしょうか。大人は失敗することを「恥をかくこと」や「面倒が増えること」として捉え、寛容に受け止められなくなっているように思います。情報が溢れ失敗することが少なくなり、失敗に対して不寛容な社会を背景に、大人の都合で子どもからその成長の源を奪っているように感じています。子どもを育むことに近道はありません。大人との関わり方や姿を見て、素直に一つひとつ積み重ねて成長していくものです。受け入れるというほんの少しのゆとりと、他者の個性を尊重することを当たり前とすることで、これからの時代に求められる人づくりへとつながり、寛容で思いやりのあるまちになれると信じております。

 

【組織の力】

「本当に強い組織とは」と考えたときに強力な統率力やカリスマリーダーが存在する組織をイメージする方が多いのではないでしょうか。もちろん、リーダーとして強い牽引力のある行動や言葉で導いていくことは大切なことです。しかし組織力の根本的なレベルアップを考えたときに本当にそれだけでいいのでしょうか。

素晴らしい組織には素晴らしいメンバー(組織を構成する一人ひとり)が必ず存在すると考えます。つまりフォロワー(リーダーを支える人)の重要性です。フォロワーはなにも受け身になる必要はありません。JCの活動は常に当事者として運動を発信する機会が皆平等にあります。メンバーの拡大に成果が出ている今だからこそ、自発的で積極的に行動をおこなうフォロワーが必要不可欠となります。また、リーダーはメンバーが自発的に考え、積極的に行動することで組織に貢献できる機会を提供すること、そして環境を整えることが重要な任務であります。加えて、共通の“目的”が中心となり、実現に向かって率先して行動する中、リーダーが個々の能力を見定めマネジメントをおこなうことも大切なことになります。これらを両輪とすることで、組織の力が最大限に発揮することができると考えます。

行動力ある勇敢なフォロワーは、素晴らしいリーダーのもとから次世代のリーダーへと成長していくのです。そのような好循環の組織文化をめざし、持続的に安定した組織力を築いてまいります。

 

【新たな交流、新たな可能性】

昨今、訪日外国人観光客が3000万人を突破し、インバウンドによる観光消費は日本における重要な収入源にまでなっています。加えて、大阪府は2020年東京オリンピック・パラリンピック開催にあたり来阪外国人観光客1300万人を目標に計画されており、さらに2025年には大阪市が国際博覧会(万博)の開催都市となり、とてつもなく大きなインバウンドの波が来ることは間違いありません。また、周辺地域に目を向けると、新路線の開通や今後の計画によるさらなる交通網の発展が見込め、都心からのアクセスが格段に発達していきます。さらに、都市部に集中していた人の流れや行動範囲も近隣地域へと分散する傾向が出てきており、文化・観光・産業など、様々なことにおいて、今までの行動導線にいなかった人々にも、大東市と交流する新たなチャンスが到来しています。

しかし、わがまち大東市はその恩恵を受けているのであろうか。まちが秘めている、話題性があり、興味がひかれる魅力や特性を、日本中や世界中に伝え発信することは、極めて重要なことだと考えます。その結果、大東市内における交流人口の増加や域内消費の向上は、喫緊の問題である人口減少における経済損失を補える可能性を秘めています。「このまちに通いたい」「このまちは面白い」「このまちは居心地がいい」と感じる“ファン”を増やすことが重要なことだと考えます。世の中の変化を認識できたときに瞬時に行動を起こすことが大切です。何事にも物事が生まれる時にはとてつもないエネルギーと創造力が必要です。だからこそ、大東青年会議所がするべきことは、自ら動き先駆者として果敢に挑戦していくことです。

 

【友情の輪】

「会員拡大は大東青年会議所の営業部である」先輩にそのような教えをいただいたことがあります。まさに会員拡大は大東青年会議所を売り込むところから始まります。 JCしかない時代からJCもある時代となり、大東青年会議所をいかに価値があるものだと、理解・共感をしてもらい、数多くある団体の中から“選ばれる”という時代となりました。我々の価値、それは奉仕・修練・友情のJC三信条を行動基本とし社会に貢献する理念、まちづくり団体としての歴史やこれまでの成果、世界各地JCとの交流、組織としての絆、そして何よりも素晴らしい“ひと”こそが我々の価値です。価値に魅力を感じ、多くの青年が同じ志のもと集い、ムーブメントを起こしていきます。その数が多ければ多いほど、未来を変えられる大きなエネルギーを持つはずです。大東青年会議所に対しての期待がより高まり、地域になくてはならない存在になれると確信しております。

我々は行動しなければ存在する意味がありません。拡大はテクニックだけでできるほど甘くありません。ひたむきなプレゼンこそが最善の手法です。我々は、大東青年会議所が素晴らしいまちづくり団体だと自負し、最高の仲間が集いひとづくり団体として自己成長できる場だと確信を持ち、共に運動をする仲間を集います。

 

【大切なもの】

経済の成長やインフラ・情報通信の発展など、様々な分野における進展は社会の構造を一変させたとともに、人と人の関係性も大きく変化させてきました。我々の生活水準は向上し、生活は便利になりましたが今の時代を背景に、世間では今さえよければいい、自分さえよければいいという利己的な考え方や、打算的な考え方をする人が増えているように思えます。人として地力が乏しくなり、本来、美徳とされてきた人としての基礎が揺らいでいるのではないでしょうか。青年会議所の活動基本である奉仕・修練・友情のJC三信条のもと、行動している20歳から40歳の今だからこそ、見つめ直す時だと考えます。日本の文化を大切に思い、時流に合う慈愛に満ちた教養ある人になれるよう、共に学び磨き合うことが必要です。メンバーが学び自己成長をすることで、「明るい豊かな社会」を自らの手で作り上げていける力を得ることができると確信しております。

 

【承継】

 先輩諸氏の想いがこもった大東青年会議所は、49年目を迎える今でも地域の青年同志が、同じ景色を見て、同じ志をいだき、「明るい豊かな社会」の実現という目標に向かって行動しています。半世紀を目前に素晴らしい時期に携わることができ、身に余る機会を与えていただき、継ぐということの尊さと責任の重大さを身に染みて感じています。

 2011年40周年のテーマとして“2011Point ZERO運動 だいとう主権!~ゼロから地域改革、新時代へ繋がるひと・まちづくり!!”と定め、10Years Projectとして、JCの存在意義を見つめ直し原点に立ち返り、真に地域に貢献できるまちづくり運動を展開すべく50周年に向けて、第一歩が始まりました。そして、2016年45周年において10Years Projectの中間地点として見つめ直し、新たにビジョンが発信されました。“The Road to Sustainable City 持続可能な都市への路 「想い」を我がまち大東に そして価値あるまちへ!”このビジョンが道しるべとなり、未来志向のまちの実現に向けて今日まで邁進してまいりました。これからの時代を牽引する地域のオピニオンリーダーとしての自覚を持ち、しっかりとめざすべき未来を見据える必要があります。先輩諸氏が力強く走り抜けた時代から引き継がれてきた運動ビジョンの集大成とすべく、創立50周年に向けて歩みを躍進させていきます。

 

むすびに

私は入会以来、たくさんの人と出会い、多くの仲間の熱い想いに心を揺さぶられ、多くの方からのやさしさや思いやり、無償の愛をいただきました。そして、これまで考えたことも、関わることさえもなかった地域の様々な問題について携わる機会を得ることができ、遭遇することもなかった困難にも、周りに支えられ果敢に挑むことができました。青年会議所で多様な価値観や考え方に触れ、常に新たな気づきを得ることができ、想像を超えた自分が存在しています。「本気になれば世界が変わる。自分が変わる。」大東青年会議所のおかげで“本気”を実践実行することができています。感謝の気持ちを胸に、同じ志を持つ仲間を誰一人取り残すことなく、共に「明るい豊かな社会」の実現、笑顔があふれ魅力あるまち、大東の創造に向けて、ひたむきに行動することを誓います。