所信
【はじめに】
一般社団法人大東青年会議所(以下、JCI大東)は、日本で476番目の青年会議所として歩みを始め、2023年で52年目を迎えました。創立から今日にいたるまで、「奉仕」「修練」「友情」のJC三信条のもと、先輩諸氏がわがまち大東で「明るい豊かな社会」の実現をめざし運動を展開してこられました。この積み重ねられた運動の数々は熱い想いから生まれた素晴らしい伝統です。私たちはこの伝統を承継するだけでなく、未来につなげるために歩みを止めてはなりません。そのためには、今までにも増して目まぐるしく変化する社会情勢において、時流を読みながら地域社会を先導するために進化し続ける必要があります。その時、私たちの運動の道標とすべきものは、「明るい豊かな社会」の実現という不変的な理念と、2021年度に策定された創立50周年ビジョンに示されているわがまち大東に対しての中長期的なベクトルです。この理念とベクトルを認識し、運動を展開しなければなりません。そのうえで、JCの本質を追究する「想い」こそが原動力として求められています。地域社会が抱える問題と向き合い解決するために、「JCとは何か」「何のために、なぜやるのか」を常に考えることが大切です。私たちは、イベントや祭りを開催するために時間を費やしているのではなく、運動を展開し変革を起こさなければならないのです。この「想い」をチカラに変えることで地域社会から求められる運動が生まれ、わがまち大東に一滴の雫を落とすことができます。そしてこの雫は波紋となり広がることで持続可能なインパクトを生み出し、変革へとつながっていきます。この変革の起点はJCI大東であり、想いから生まれる運動であることは間違いありません。想いをチカラに運動を展開し、先輩諸氏から受け継いだ素晴らしい伝統をさらに昇華させて未来につなげていくことをめざしてまいります。
~必要な人に届ける~
「JCI大東を知っていただくためには何をすべきか」また、「どうすれば必要な情報を届けることができるのか」を考え、私たちは様々な情報発信をおこなってきました。しかし、年々進む情報技術の多様化により、その時代に合わせて情報発信も変化し続け、今後も加速していくことは間違いありません。絶えず変化する中、私たちは日々の活動や展開する運動について効果的に発信できるものを考えていかなければなりません。そして、必ず考慮すべきことは届けたい相手のことです。相手の立場に立ち、「どのような人が、どのような情報を求めているのか」を常に考えることです。一人がひとつの情報を求めているとは限りません。一人が複数のことに関心を持ち情報を求めています。よいところは残し、改めて現代に合ったものを模索し、活かすことができれば、私たちの情報を必要としている人に幾度となく届けることが可能となり、情報が大きく、広く波及していきます。そして、これが情報発信の好循環となり様々な効果を最大限に発揮できると共に、このような好循環を生み出し継続することがJCI大東のブランディングにもつながり、地域社会から身近な存在になると確信しています。
~相乗効果の波紋~
「JCしかない時代からJCもある時代になった」と揶揄されることがあります。これは、JCがこの世に生まれた時と比べて、地域社会の課題を解決しようと活動している団体が増加しているからであり、地域社会にとってはポジティブな要素です。しかし、各団体の明確な横のつながりがなかったため、このポジティブな要素を上手く活用できていないと考えます。また、現在の地域社会は人口減少や高齢化、そして近年加速しているライフスタイルの多様化などにより、まちにかつての賑わいがなくなってしまう空洞化という課題を抱えています。これは、賑わいだけでなく、まちの活力や楽しみの減少にも関係しています。しかし、まちの空洞化という課題は様々な要素が絡み合い複雑化しているため、ひとつの団体だけで解決するには限界があります。そこで、明確な理念と進むべきベクトルへの強い想いを持ち、運動を展開し続けている私たちが地域社会の課題に対して、様々な団体と手を取り合い、よりよい方向に導くよう働きかけます。手を取り合い生まれる相乗効果により、運動を大きく波及していくことが可能となり、この機会に創出された絆は今後の強いチカラとなるに違いありません。私たちがまちづくりの起点となり雫を生み出すことはもちろん、そこから生まれる波紋が大きな広がりとなるために起こす行動が、また雫となり大きな波紋を広げる好循環となります。この好循環を生み出すことで、様々な人や団体が共存しお互いを高め合えると共に、誰もが輝くやさしいまちへと導くことができると確信しています。
~交流から生まれる成長~
近年、予測が困難な事象が次々に起こり、先行き不透明な社会情勢に拍車をかけています。そして、不安定な時代だからこそ、交流から生まれる人と人とのつながりの重要度が増してきています。これは、つながりが新たな挑戦や発見、成長を促すからです。JCI大東という組織の中においても、メンバー一人ひとりが与えられた機会を最大限に活かし能力を発揮することや、その先の成長につなげるためにも、この人と人とのつながりを強くすることが重要になります。本年度は、JCI大東が地域やLOM環境の異なる北河内地域6LOMの先頭に立ち事業を構築する貴重な機会があります。この機会を通じて新たな刺激のある交流が生まれ、北河内地域というスケールメリットの中で今までにないつながりを創出することは、JCI大東にとって多くの気づきと学びを得る絶好の機会になります。そして、これから未来に向けて変革を繰り返すための大きな財産になるに違いありません。日々の交流の積み重ねや新たな刺激による交流が、つながりをさらに強固なものとし、メンバー一人ひとりの成長を促すチカラとなります。この交流を成長につなげる好循環を作ることができれば、常に進化し続ける組織を築いていけると確信しています。
~想いの伝播~
会員拡大運動は、JCI日本の中において一度も欠けることなく継続されている運動と位置付けられています。これは卒業がある中で、先輩諸氏から脈々と続く歴史を受け継ぎ、私たちが「明るい豊かな社会」の実現をめざし運動を展開し、さらに持続可能な組織として次の時代を担う世代につなげなければならないからです。これはJCI大東でも同様であり、わがまち大東で効果的な運動を展開し、雫を生むためには同じ想いを持ったJAYCEEの存在が必要となります。そして、この存在を大きなチカラとして未来につないでいかなければならないのです。そのために、なぜ私たちが数ある団体の中からJCI大東を選び、運動を展開しているかという「想い」をしっかり伝え、同じ方向に進む新入会員という同志を集うことが必要です。また持続可能な組織となるために、多くの同志を集い迎え入れるだけでなく、同じ想いを持つJAYCEEとなるために様々な機会を提供します。同志を集い、想いを持つJAYCEEを増やすという会員拡大運動をJCI大東が一丸となり取り組むことにより、伝えるチカラも大きくなります。そして、このことが好循環となり、永続的に進化し続ける組織になると確信しています。
~明日、そして未来につながるように~
近年の著しい情報技術の発達により、私たち大人だけでなく子どもにおいても、欲しい情報や知識を瞬時に入手することが可能となりました。しかし、このような便利さと裏腹に、直接的な体験が伴わず言葉ばかりが先行することによって、知識として取り入れただけで理解したように思えてしまう一面があります。このことは、子どもが試行錯誤する中で得られる思考の広がりを育むことを妨げてしまっています。この思考の広がりとは「思考の柔軟性」であり、新たな発想を生む原動力として重要視されています。そのような中、人工知能の発達により近い将来、現在ある職業の約半数がなくなるといわれています。子どもにとって、自分のやりたいことを自由に生み出し職業にすることができるという未知の可能性を秘めているのです。しかし、子どもが自分自身で考え、将来の可能性を広げるためには、状況に応じて自己分析できる「思考の柔軟性」が必要となります。そこで、私たち大人がこれから先を見据え、子どもが様々なことを経験し、感じ、考えることで思考の柔軟性が育まれる機会を創出し、子どもの可能性を最大限に伸ばすことができるように導きます。そして、明るい未来を切り拓くことができた子どもは未来を担う大人となると共に、わがまち大東は誰もが輝くまちとなると確信しています。
~深い優しさとインパクト~
私たちは、JCで多くのメンバーと「奉仕」「修練」「友情」のJC三信条のもと学びを得ています。そして、地域社会においても得た学びを活かし牽引していかなければなりません。しかし、様々な人が共存している地域社会には多様な価値観が溢れており、自分とは違う価値観に悩まされる場面が多くあります。このような状況下においても、周りとの調和を図りながらも自分がベストだと考える方向に導かなければなりません。そのためには、「包容力」と「自分の強みを知る」ことが必要です。自分の価値観だけにとらわれず他者に対する深い優しさを持つ「包容力」が大切になります。様々な価値観に興味を持ち、よいところは積極的に取り入れ、常に自分の価値観を形成することで成長につながるからです。しかしながら、取り入れているだけでは地域社会を牽引することはできません。「自分の強みを知る」ことが必要となるのです。自分の強みを知ることができれば、日々の生活で活用でき、地域社会の多くの人にインパクトを与え、多様な価値観の人々を変えることができます。多くの学びを得ている私たちが、「包容力」を携え「自分の強みを知る」ことが可能となれば、JAYCEEとしても青年経済人としてもさらに階段を上ることができます。そして、JCだけでなく地域社会を牽引する輝ける存在となると共に、多くの価値観に変革を与える好循環を創出できると確信しております。
~能動的なJAYCEEへ~
私たちJAYCEEは、日々の活動や運動という機会に触れ、役割を担う中で「JCとは何か」「何のために、なぜやるのか」を学んでいます。しかし近年、全国的にJCへの在籍年数は短くなっており、このJCの本質的な部分である想いを学び、理解するためには機会が少ないといわれています。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響により、私たちが今までおこなっていた運動の展開方法は急激に変化させられました。多くの活動や運動がオンラインにシフトせざるを得なくなったことでオフラインよりも想いを感じる機会が減少してしまったことも大きく関係しています。そこで、本年度はLOMとして全てのメンバーの経験に応じた学びの機会を創出することで、早期に様々な運動に携わっている意味を明確にしてもらうよう発展と成長の機会を提供します。多くの学びを得ることができれば、メンバー一人ひとりが今まで以上に積極的にJCに関わりを持つようになります。そして、さらに地域社会に能動的に働きかけるJAYCEEへと成長させると共に、JCI大東の未来を担う人財となると確信しています。
【むすびに】
JCI大東の52年目は、地盤固めの1年だと考えております。ベクトルから逸れないよう中長期的な面にも目を向けながら、常に想いを持ち歩みを続けていきます。そのことで、これからも迷うことなく理念に向き合うことができ、歩みのスピードをさらに加速していけると確信しております。
入会して8年の間にJCからは本当に多くのことを学ばせていただきました。この学びとは、事業の立案から実施に至るまではもちろんのこと、多くの仲間との出会いなど数えることができないほどです。そして私にとってかけがえのない財産となり、今の自分を構成している大きな要素になっていることは間違いありません。まさに「奉仕」「修練」「友情」のJC三信条が私を人として成長させてくれ、想いの大切さを気付かせてくれました。2023年度は理事長として、率先して想いをチカラにし、わがまち大東に雫を落とすことで「明るい豊かな社会」の実現につながる好循環を生み出していくよう邁進いたします。
2023年度理事長 三ツ川 拓治